[vc_row css=”.vc_custom_1654829529238{margin-top: 60px !important;}”][vc_column][vc_column_text]お世話になります。

 

講師の磯部です。

 

いかがおすごしでしょうか?

 

最近私はインドネシアのジャワ島最東端、バニュワンギを旅していました。

 

バニュワンギには世界的に有名なイジェン火山があり、ターコイズ色の火口湖と青い炎を一目見ようと毎日多くの観光客が訪れます。

 

イジェン火山クレーターの写真

 

しかし、私は観光のためではなく、そこで硫黄を採掘する鉱夫に話をするために訪れました。

 

鉱夫たちは世界一過酷な労働環境とも言われる火口湖のほとりで仕事をします。

 

飲み込めば死にいたる硫酸の湖、毒ガスの中での採掘、300m以上の崖での70kg以上の硫黄の運搬など、常人では1日で諦めてしまう環境で毎日働きます。

 

硫黄採掘現場の様子。ガスマスクなしでは息をするのも大変。

 

なぜ、こんな過酷な環境で働き続けるのか? 」その理由を知るために、30年以上火山で働き続けるレジェンド、アリフィン氏と話をさせてもらうことになりました。

 

仕事を手伝う中で仲良くなり、彼は私に色んな話をしてくれました。

 

以下、話の一部を抜粋

私「どういうきっかけで火山での仕事を始めたの?」

 

アリフィン「ここの仕事を始めたのは、両親を支えるのがきっかけだった。親父1人で火山で働いていたから大変だと思ってね。学校は小学校までしか行っていないんだ…。」

 

私「普段はどんなスケジュールで働いているの?」

 

アリフィン「夜中の12時から働き始め、そこから10時間は火山での仕事。その後4時間は農業をしているよ…。」

 

私「大変じゃない?」

 

アリフィン「ああ、大変さ。湖水爆発による津波で大切な友人を5人も亡くしたよ。でも私には家族を養うにはこの仕事しかないんだ。」

 

取材交渉時の写真

 

聞いているだけでも苦しくなるようなエピソードを、オープンに話してくれました。

 

彼と話していた中で、印象に残っている言葉が1つあります。

 

死ぬのは怖くない。でも、飢えるのはごめんさ

 

彼は自分の命よりも家族の腹を満たすことが何よりも大事だと繰り返し言っていました。

 

そんな風に考えたことがなかった私にとっては衝撃の言葉でした。

 

私は彼の話を聞く中で、ある言葉を思い出しました。

 

武士道と云うは死ぬことと見つけたり

 

「生きるとは同時に死ぬことでもあり、常にどう自分の命を燃やすのかを考えるべきだ」と言った山本常朝の言葉です。

 

 

日本の武士たちが主君や己の大志のために命を燃やしたように、イジェンの鉱夫たちは家族の腹のために命を燃やします。

 

現代人の私たちは、良くも悪くも「死」を身近に感じなくなっています。

 

明日、戦いで命を落すこともないし、飢え死ぬこともない。

 

こんな平和な現代だからこそ、「どう自分は命を燃やしたいのか?」を意識的に考えて生きることが私は大切だと思います。

 

世間が幸せとする考えに沿って生きるのではなく、世界を旅しながら考えの外にある価値観に触れて、自分の常識や信条をぶち壊していきたい。

 

私は火山での鉱夫との出会いを通して、こういった生き方を実現するためにノマドとして起業することを決めたことを、改めて思い出しました。

 

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    P.S

    火山での仕事はめちゃくちゃ大変でした。学生時代はラグビーや総合格闘技をしてきましたが、その練習の10倍はきつかったです。

    100kgの硫黄を持ち上げたときは、死ぬかと思いました。

    重いものを持つときはぎっくり腰にならないように気をつけてくださいね。[/vc_column_text][/vc_column][/vc_row]