「コーチングとティーチングはどう違うの?」
「どうやってコーチングとティーチングを使いわけるの?」
部下のマネジメントに役立つ言われるコーチングとティーチング。
どのような違いがあって、どう使い分ければいいのか気になりますよね。
うまく両方を使って、組織を活性化できる上司になりたい、頼られる上司になりたいと望んでいる人も多いかと思います。
そこで、本記事ではコーチングとティーチングの違いと使い分け方について、僕が経営する学校で部下に使ったケースをまじえながら紹介したいと思います。
記事の終わりには、読者限定の特典もあるのでぜひ最後まで読んでみてくださいね!
コーチングとティーチングの具体例
いきなり概念の違いを聞いても分かりにくいと思うので、僕が経営する語学学校での実際の会話を元に、コーチングとティーチングの具体例を紹介したいと思います。
以下、2つの会話例を出しますので、どちらがコーチングかティーチングかを当ててみてください。
会話例A
会話例B
コーチングとティーチングの違いとは?
どちらがコーチンングかわかりましたか?
正解は 1つ目の会話例Aがコーチングで、2つ目の会話例Bがティーチングです。
コーチングとティーチングには以下のような違いがあります。
コーチングは相手から答えを引き出し、自発的な目標達成や問題解決をサポートしていきます。
コーチングにおける「答え」は解決策とは異なり、「分からない」ということも答えに含まれます。
例えば、部下が「分からない」と答えた場合、「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、部下の自発的な行動を促していくことになります。
会話例Aでもブログの企画をどうすればいいかを質問をすることで、部下自身が意思決定をしていましたよね。
一方、ティーチングは部下に解決策を与えて、目標達成や問題解決をサポートしていきます。
例えば、部下が「分からない」と答えた場合、「〇〇してみるといいよ」といった風にアドバイスをします。
会話例Bでも部下にYoutubeに関するマニュアルを提示してあげることで、タスクが前に進んでいましたよね。
まとめると、
コーチングは答えを引き出し、自発的行動を促す。
ティーチングは解決策を与え、行動を前進させる。
コーチングとティーチングのメリットデメリット
次に、コーチングとティーチングは部下のマネジメントにおいて、どういうメリットとデメリットがあるのかについて解説していきたいと思います。
コーチングの3つのメリット
コーチングのメリットは主に3つあります。
①部下のやる気を高めることができる
コーチングでは、部下は自分自身で意思決定をしていくことになるので、「やらされてる感」ではなく「自分で選んでやってる感」を持って行動することができます。
したがって、長期的に仕事に対して意欲的な部下を育てることができます。
②部下の自立性を高めることができる
コーチングを使うと、部下自身が考え行動してくことになるので、上司の指示を待つ前に自分で考えて行動できるようになります。
③マネジメントが長期的には楽になっていく
上記のように部下が自発的に行動できるようになると、最終的には「どうしたらいいですか?」と部下から聞かれることが減り、マネジメント自体が楽になっていきます。
つまり、指示をしなくても動く部下が増え、上司としては楽になるということです。
コーチングの3つのデメリット
コーチングのデメリットも同様に3つあります。
①部下が結果を出すまでに時間がかかる
コーチングではアドバイスを原則行わないので、部下が問題を解決していくまでに時間がかかることがあります。従って急を要する業務にコーチングは向きません。
例えば、エンジニアリングの会社で緊急の機材トラブルがあった時に「どうしたらいい?」と入社したばかりの部下に聞いても仕方ないですよね。
②知識や経験のない人には有効ではない
先ほどの会話例でいうと、Youtubeでの集客の方法を知らない部下に、Youtubeのメディア戦略を「どうしたらいい?」と丸投げするのは無茶ですよね。
組織で、知識や経験がない人に対して、コーチングしても効果は低いケースが多いです。
③上司のコーチングスキルがないと機能しない
コーチングはただ質問をすればいいわけではありません。
必要とされるスキルやマインドセットがあり、誤った形でコーチングを使うと逆に部下の目標達成を阻害してしまうことになります。
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ティーチングの3つのメリット
次にティーチングのメリットについて解説していきたいと思います。
①組織における目標の管理がしやすい
「どうしたらいい?」とマネジメントをすべてコーチングで行うと、みんながバラバラな方向を向いて進むことになるので、組織として成立しません。
例えば、ビジョンやルール、仕事に関するメソッドなどを、研修(ティーチング)で伝えることで、組織の目標に向けた部下の行動をある程度管理しやすくなります。
②緊急性の高いタスクに対処できる
コーチングとは違い、命令や指示を行うことができるのがティーチングです。
先ほどのエンジニアリングの会社の例でいうと、「〇〇部品の替えを1000個発注してくれる?」と緊急事態に対処することができます。
③部下の目標達成の武器を授けることができる
ティーチングは相手の中にない解決策を与えることです。
ドラクエでいうと魔王(目標)を倒すのに、剣や盾、地図(解決策)を与えるようなものです。
特に、目標や問題に対して、相手に知識や経験がない時にティーチングは有効です。
ティーチングのデメリット
次にティーチングのデメリットを解説していきたいと思います。
①依存関係を生み出し、部下の自発性を損なうことがある
ティーチングは解決策を相手に与えることなので、ティーチングばかりしていると部下があなたの指示待ち人間になってしまいます。
ティーチングには、短期的に問題解決できるというメリットがありますが、長期的に部下の自発性を奪ってしまうというデメリットがあります。
②やる気がない部下を生み出す可能性がある
上司にティーチングばかりされていると、「自分は認められていないのかな」と部下は感じてしまいます。
仮に、ドラクエで武器ばかり渡されたら、自分の実力が認められてない感じがしますよね。
ティーチングに頼りすぎると、部下は自分が指示通り仕事をこなすロボットのように感じ、働きがいを感じられなくなってしまうかもしれません。
③教える側の価値観や考え方にとらわれる可能性がある
例えば、上司が「とにかく数をあたって営業したほうがいい」というアドバイスをしたとします。
そうすると部下は「営業=数を打つこと」だという考え方を持つようになり、1回の営業の質を高めようとしなくなるかもしれません。
もしその部下がクライエントに丁寧に説明することが得意だったとしたら、その強みを活かさない営業をすることになってしまいます。
このように、教える側の考え方が部下の行動を制限してしまう可能性もあるので注意が必要です。
コーチングとティーチングの使い分け
では、コーチングとティーチングはどのように使い分けたらいいのでしょうか?
コーチングとティーチングの使い分けを2つの観点から、わかりやすく解説します。
①重要度/難易度と部下のスキルのマトリックス
まず、コーチングとティーチングをいつ使い分けるかを重要度・難易度(縦軸)と部下のスキル(横軸)で分割したマトリックスでまとめて見ていきます。
①の領域:
タスクの重要度と難易度が高いが、部下のスキルが低いので解決策を与えるティーチングを使います(例:営業のフローなど)。
②の領域:
タスクの重要度と難易度が高いが、部下のスキルもあるので、自分で答えを見つけ、目標達成するコーチングを使います(例:顧客との関わり方など)。
③の領域
タスクの重要度と難易度が低いかつ、部下のスキルがあるので、サポートはせずに任せる形をとります(例:日々のメール対応や電話対応など)。
④の領域
タスクの重要度と難易度が低く、部下のスキルもない場合は、コーチングでもティーチングでも対応可能できます。
例えば、電話対応の方法を知らない場合であれば、ティーチングを教えてあげてもいいですし、日々の同僚との関わり方であれば「どのようの関わるのがいいと思う?」とコーチング的な進め方をしてもいいです。
②コーチングとティーチングの時期グラデーション
次に、コーチングとティーチングを時系列でどのように使い分けるかを想定したものを紹介します。
このように、入社初期はティーチングの割合が高く、入社してしばらく立ってからは部下のスキルも上がるのでコーチングの割合をあげていきます。
つまり、初期は部下に知識や経験がないので与えることを中心にし、中期以降は部下のできることが増え、その中でどうすればいいかを自分で考えさせ、自発性やモチベーションを高めていきます。
コーチングとティーチングの違いと使い分けまとめ
最後にコーチングとティーチングの違いと使い分けをまとめて終わりにしたいと思います。
【コーチングとティーチングの違い】
・コーチングは答えを引き出し、自発的な目標達成を促す
・ティーチングは解決策を与え、目標達成の武器を調達する
【コーチングとティーチングの使い分け】
コーチングを使うべきとき
①緊急度が比較的低いとき
②相手に目標達成のための知識・経験・スキルがあると判断できるとき
③部下の自発性を高め、長期的マネジメントコストを下げたいとき
ティーチングを使うべきとき
①緊急度が比較的高いとき
②相手に目標達成のための知識・経験・スキルがない判断できるとき
③組織としてのビジョンやノウハウを前提として伝えたいとき
以上コーチングとティーチングについてでした。
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