この記事を開いたあなたは、『どういう手順でコーチングをやっていけばいいのか?』と悩んでいるかもしれません。
実は、この記事で紹介するGrowモデルを習得すると、誰でも簡単にコーチングができるようになります。
なぜなら、国際コーチ連盟(ICF)を含め、世界中のコーチがGrowモデルを基礎にコーチングを行っているためです。
この記事では、実際の質問例や会話例などを通して、Growモデルに関する理解が深められるようになっています。
記事を読み終える頃には、あなたがコーチングをどのように実生活で使っていくのかというイメージが湧いていることでしょう。
では、早速解説していきます!
コーチングのGrowモデルとは?
Growモデルとは、元レースドライバーで、100万部のベストセラーCoaching For Performanceの著者ジョン・ウィットモア氏によって作られたコーチングモデルになります。
彼はビジネスコーチング分野のパイオニアで、彼の作ったGrowモデルは国際コーチ協会をはじめ、世界中のコーチに活用されています。
なぜ、これほど広まったかというと「シンプルで使いやすい」の一言につきると思います。
Growモデルとは以下の4つの単語の頭文字を取って名づけられました。
①Goal (目標): どこに向かうのか?
まずは、クライエントのありたい姿や達成したいことを引き出します。
まず何に向かっているのかを考えることで、後々どんな行動を取るべきかが洗い出しやすくなったり、モチベーションを維持しやすくなったりします。
・1年後の今、部署内で営業トップになっている
・将来自分で独立したいと考えていて、自信となる実績が欲しいから
・MVPとして表彰されて、周りから「すごい」と褒められている
②Reality & Resource(現状): 今どこにいるのか?
目的地がわかっていたとしても現在地がわからないと、うまく目的地に辿り着けないので、現状を把握していきます。
また、目標と現状のギャップを見せるだけでなく、クライエントの強みやこれまでやってきたことを引き出すことで、勇気づけも行います。
・目標が10点だとしたら、今は何点?
・その◯点は何をしてきたから◯点あると言える?
・目標を達成する上で活かせそうな過去の経験は?
・目標を達成する上であなたらしさを出すなら?
・目標を達成する上で手伝ってくれそうな人は?
・10点中3点
・営業のフロー、ビジネスマナー、自力でお客さんを獲得した経験
・部署トップのYさんの営業に同行して学ぶ
③Options(選択肢): 何ができるのか?
目標と現状を埋める上で何ができるのかを洗い出すパートです。
できるだけたくさんの行動の選択肢を出しておくことで、最良の選択ができたり、納得感を持って行動することができるようになります。
・残りの△点を埋めるには何をする必要がある?
・何でもできるとしたら、どんな行動を取る?
・目標に一歩でも近づくために何ができる?
・明日からできることは?
・先ほど出た強みや人脈をいかすと?
・成約率を上げるために営業上手な人をモデリングする
・営業件数を増やす
④Will (行動): 何をするのか?
最後に先ほど選んだ選択肢の中で、何を、いつまでに、どのくらいやるのかを決めます。
ただ選択肢を出すだけだと行動につながらないので、期限を設けて具体的なアクションに変えていきます。
・何から取り掛かりますか?
・いつから始めますか?
・いつまでにやりますか?
・どれくらいやりますか?
・応援しています / 頑張ってください
・営業上手な人にモデリングをする
・今月中にYさんの営業に1回同行し、マネするポイントを最低3つあげる
このように、G-R-O-Wの4つの手順を繰り返すことで、クライエントのパフォーマンスを向上させるのがGrowモデルということになります。
コーチングのGrowモデルの使い方とは?【会話例】
では、次にGrowモデルを使った実際の会話例を見てみましょう。
①Goal (目標): どこに向かうのか?
はい。今思い浮かぶのは、
・海外の大学進学の準備をすること
・東南アジア旅行にいくこと
ですね。
最近友達のつてでエストニアの人に会うことがあって、日本はインフラは進んでるけど、ITは全然進んでなくて非効率でがっかりしたよ。って言ってたのが印象に残っていて
それから色々調べたんですけど、エストニアに留学してITや国の仕組みを学んで、帰ってきてから日本の未来に貢献したいと思ってるんです。
②Reality & Resource(現状): 今どこにいるのか?
・あとはエストニアでの住み方について知っていること
・学びたいことが定まっていること
とかですかね
③Options(選択肢): 何ができるのか?
④Will (意思決定): 何をするのか?
いかがだったでしょうか?
こういった流れでGrowモデルは進んでいきます。
この会話例をマネするだけでもコーチングの流れが掴めるかと思います。
実際の会話では、もっとクライエントが悩んだりする時間がありますが、ここでは読みやすくするために割愛しています。
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他のコーチングモデルは?
では、Growモデル以外にもコーチングモデルはあるのでしょうか?
ここでは、特に有名な他の3つのモデルも簡単に紹介しておきたいと思います。
基本なフローはGrowモデルと同じですが、さらに実行可能な形にするためにプロセスが細分化されているのが特徴的です。
STEPPPAモデル
STEPPPAコーチングモデルは、Angus McLeodによって開発されたコーチングのモデルです。ビジネス環境で起こりうる問題や様々な状況に対して、クライエントの感情を活用して新たな目標達成や改善を促すのが特徴的です。
・Subject(主題)
クライアントがコーチングプロセス中に何に焦点を合わせたいか、コーチングの終わりにどのような結果を得たいかについて話します。
・Target identification(目標の決定)
具体的に何を達成するのかを数値化していきます。
・Emotion(感情の引き出し)
達成後にどんな感情になっていそうか、何がきっかけで目標を達成したいのかといった、クライエントの動機を引き出す質問を行い、行動を促進させます。
・Perception and choice(知覚と選択)
目標に対してクライエントの現状を把握し、何ができるのかを洗い出していきます。
・Plan(計画)
選択肢を実行可能な計画に変えていきます。
・Pace(ペース)
いつまでに、何を、どのくらいのペースで行うのかを決めていきます。
・Adapt / Action(修正と行動)
過去の行動を振り返り、やるべきことを調整していきます。
OSKARモデル
OSKARコーチングフレームワークは、組織で使用されるソリューション(解決)重視のコーチングモデルの1つです。これは、コーチのMarkMcKergowとPaulZ. Jacksonによって開発されました。
・Outcome(結果)
チームメンバーとのコーチングセッションの結果どんな問題を解決し、どんな未来が欲しいのかを一緒に考えます。
・Scale(評価)
チームメンバーが上記の結果を達成するのにどれだけ近いかをスケール(多くの場合1から10)を使用して定量化します。
・Know-how(ノウハウ)
チームメンバーが結果に到達するために必要なものを確認します。「ノウハウ」とは、チームメンバー前進するためのスキル、知識、資格、属性などを表します。
・Affirm + Action(肯定+行動)
実際にチームメンバーに行動をおこしてもらい、その行動1つひとつを認め、さらなる行動を促進していきます。
・Review(振り返り)
チームメンバーが行ったアクションを確認し、何が改善されたかを判断し、さらに改善するために次に何を行う必要があるかを確認します。
CLEARモデル
CLEARモデルは、 1980年代初頭に、当時のバースコンサルタントグループのピーターホーキンス教授によって作られたモデルです。
個人が単に目標を達成するのを助けるのではなく、個人が変革(新しい価値観、行動、信念に基づく永続的で根本的な変化)を達成するのを助けるように設計されているのが特徴的です。
・Contract(契約)
望ましい結果を明確にし、どのようにセッションを進めるのかについて合意形成をします。
混乱や誤解を避けるために、セッションの一般的な範囲を明確にし、コーチングプロセスの概要を説明したり、頻度、期間、場所なども決定します。
・Listen(傾聴)
クライエントが望ましい結果に関して考えるに至ったきっかけや、現状や今の感情の把握などを聞き取ります。
・Explore(探検)
クライエントが現在の状況によって感情的にどのような影響を受け、将来の行動がどのように影響するかを調べるためにさらに深掘りをしていきます。
・Action(行動)
望ましい結果を得るために必要な行動を洗い出し、計画に落とし込みます。
・Review(振り返り)
セッションの終わりに、目的と進捗状況を再度確認し、セッションの重要なポイントのいくつかを振り返ります。また、クライエントに他にセッションでカバーしたいことがあるかどうかを尋ねます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
Growモデルはとてもシンプルで使いやすいことがわかったかと思います。
最後にここまでの内容をまとめて終わりたいと思います。
・Growモデルとは?
ほぼ全てのコーチングモデルの基礎となっている古典的なモデル。Goal(目標を決める)、Reality&Resource(現状を把握する)、Options(行動を洗い出す)、Will(計画に落とし込む)の4つの頭文字をとって作られた。
・Growモデルを使いこなすには?
会話例を参考にしながら、実際に現場で使ってみる。
・Growモデルの他には?
STEPPPA、OSKAR、CLEARなどのフローが細分化されたモデルもある。
ぜひ、この記事を参考に、あなたの職場やビジネスでのパフォーマンスを上げてみてくださいね。
・〇ヶ月後、何が達成できていたら嬉しいか? / 何ができるようになっていたら嬉しいか?
・*どのくらい達成できていたら嬉しいか?
*どのくらいとは?
人数(◯人に)、個数(◯個)、回数(◯回)、頻度(◯に△回)、長さ(時間、分間)、順位(◯位に)、量(kg/g)、距離(◯km / m)、時間(◯時に、◯分に)、売上(○円)など
・そもそも何がきっかけで達成したいと思ったのか?
・達成したらどんないいことが起きそうか?
・達成できたらどんな光景が見られそうか?
・達成できたらどんな声が聞こえてきそうか?