「目標設定にコーチングがいいと聞いたけど、どうやるのかわからない」
「コーチングを実践しているけど、目標設定の仕方がいまいちわからない」
本記事は、こんな悩みを持った人のために作りました。
コーチング本場のアメリカの資格を持つ僕が、実際に目標設定のときに使える質問も紹介しながら、ていねいに解説していきたいと思います。
記事の終わりには、読者限定の特典もあるのでぜひ最後まで読んでみてくださいね!
コーチングの目標設定とは?
コーチングの目標設定では、「やりたいこと」だけでなく、「ありたい姿」も明確にしていくことがポイントです。
なぜなら、私たちが本当に望んでいるのは、「やりたいこと」の先にある「ありたい姿」だからです。
例えば、ありたい姿とは以下のようなものになります。
・ダイエットで10kg痩せたい(やりたいこと)
→モデルのようにスリムになって、今よりモテたい(ありたい姿)
・転職を成功させたい(やりたいこと)
→もっと自分の好きな人と仕事をして、ストレスを減らしたい(ありたい姿)
・ビジネス書を毎月5冊は読みたい(やりたいこと)
→同期に営業成績で負けたくない。会社で認められたい(ありたい姿)
ありたい姿を明確にしないまま進めると、本当に望んでいる行き先にたどり着くことができません。
例えば、転職したいのは、実は仕事内容を変えたいのではなくて、人間関係がいい環境で働ける状態を望んでいたためだった。
というように目的によって、着眼する部分が変わってくるのです。
なので、コーチングの目標設定では、「やりたいこと」の先にある「ありたい姿」を明確にすることが何よりも大事になります。
コーチングの目標設定で使う質問3ステップ
さらに具体的にコーチングの目標設定を理解するために、実際に現場で使う3種類の質問について紹介したいと思います。
使う順番で並べているので、流れに沿ってマネして使ってもらうだけでも効果がでると思います。
ステップ1 広げる質問
目標を決めるときによくあるミスとして、目標を1つ出したらいきなりそれを深掘りしようとしてしまうことです。
そうではなく、コーチングでは風呂敷を広げるように、目標をたくさん出して、いろんな選択肢を考えてみたり、やりたいことに共通するありたい姿を見つけたりします。
そうすることで、目標にバリュエーションを出せたり、特に叶えたい目標に出会えたりします。
例えるなら、1種類のラーメン屋さんがあるよりも、5種類あってその中から選んだ方が自分にあったラーメンを食べられるのと同じです。
具体的な投げかける質問例としては、
<広げる質問の例>
・3年後どのようになっていたいですか?
・100%成功するとすれば、何がしたいですか?
・もし明日で終わるとすれば何がしたいですか?
・お金が無限にあるとすれば何がしたいですか?
・他にはありますか?
・まだ出てきそうですか?
この時点で具体的にする必要はなく、「できない」という制約を外したり、「他には?」と質問して考えられるかぎりの目標を出していきます。
そうすることで、クライエントが望む目標に出会える確率が上がってきます。
ステップ2 絞る質問
次に、ステップ1で出たたくさんの目標の中で、特に叶えたいものを明確化していきます。
具体的には以下のような質問を投げかけます。
<抽出質問の例>
・その中でも特に叶えたいものは何ですか?
・どれが最初に叶えば嬉しいですか?
・何から取り組んでみたいですか?
・明日が最後で1つだけ叶うとすれば、どれに取り組みたいですか?
質問に対して直感で答えられる人もいますが、ほとんどの人は難しいと思うので、困ったときはジョハリの窓というツールを使うのがオススメです。
これはタスクの重要性と緊急性を表した表で、右に行くほど重要度が高くなり、上に行くほど緊急度が高くなります。
コーチングの目標設定では、「緊急ではないけど、重要度が高い」②の領域に取り組むことが多いです。
なぜなら、緊急で重要なこと(①の領域)は必要にかられて自然と達成することが多いけど、緊急ではないけど重要なこと(②の領域)は大切なのに無視してしまうことが多いからです。
僕の例を見てもらえたらわかりますが、②の領域に本当に望むものが含まれていることが多いです。
絞りきれない場合は、特に②の領域に注目しながら、コーチングでは目標設定をしていきましょう。
ステップ3 深める質問
目標を1つに絞ることができたら、それを具体的にしていきます。
具体化する方法は3つあります。
①定量化する質問(5W1H)
コーチングでは、より行動を起こしやすくするために目標を定量化していきます。
定量化とは、数字で表せる形にするということです。
例えば、以下の目標でどちらの方が行動に移しやすいでしょうか?
A.東南アジア旅行に行く。
B.今年の3月に友人〇〇とタイ、ラオス、ミャンマーの3カ国をバックパッカー旅する。
いうまでもなく、Bの方が準備で何をすればいいかがイメージしやすいですよね。
このように目標を具体化するために、定量化する5W1Hの質問を使っていきます。
・どこで活動していますか?(Where)
・具体的に何がしたいですか?(What)
・いつまでにしたいですか?(When)
・どのくらいの数/量ですか?(How)
・誰に/誰とやりたいですか?(Who)
・どういうきっかけで?(Why?)
これらの質問はあくまでも例で、すべて投げかける必要はありません。
ただ、1つ気をつけてほしい質問があります。
それは「なぜ(Why?)」という質問です。
「なぜ?」や「どうして?」という質問は、理由を問い詰めるため、相手にプレッシャーをかけてしまいます。
これらの質問は、言い訳を引き出してしまうので、できるだけ使わないようにしましょう。
かわりに、「どういうきっかけで」や「どういう想いで」と言った事実や想いを聞く質問をするようにしましょう。
そうすることで、本音を引き出しやすくなります。
②先にあるありたい姿を聞く質問
先ほども言いましたが、コーチングの目標設定では、「やりたいこと」の先にある「ありたい姿」を明確にしていきます。
そこで、以下のような質問を投げかけてみましょう。
<ありたい姿を聞く質問例>
・その先にどんな未来を描いていますか?
・達成したらどんないいことがありますか?
・達成したらどんなことがしてみたいですか?
・達成したら他に人にはどんないいことがありますか?
・達成したら社会にどんないいことがありますか?
このような質問を投げかけることで、クライエントが本当に望むものを明確化して行きましょう。
③達成時のイメージを高める質問
目標へのモチベーションを上げるために、コーチングでは5感を使った質問をしていきます。
<5感を使った質問例>
・達成した時にどんな光景が広がっていそうですか?(視覚)
・達成した時に周りの人はどんな声をかけてくれそうですか?(聴覚)
・達成した時にどんな気持ちになりそうですか?(体感覚)
このように達成した時の状況をありありとイメージできるようにすることで、モチベーションを上げていきます。
ほとんどの人は目標設定したら、どう達成するか行動に目が向きがちです。
そうではなく、目標を映像でイメージできるくらい具体化することで、途中で目標を忘れないようになり、モチベーションを維持することができます。
ここまでの流れを簡単にまとめると、以下のようになります。
①広げる質問
まずは、より多くの目標を出してみる。
②絞る質問
その中でも特に達成したいものに絞ってみる。
③深める質問
達成した時を映像でイメージできるくらいまで、具体化する。
この3つの質問を駆使して、目標設定をしてみてください。
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コーチングの目標設定がうまく行かない時の3つの原因
前述したコーチングの目標設定の流れをやってもうまく行かないときもあると思います。
そこで、目標設定がうまく行かない時のよくある原因と対処法をセットで3つ紹介しておきます。
原因1 クライエントのための目標達成ではなくなっている
コーチングの目標設定でよくあるミスが、他者のために目標を立てた結果、クライエント自身がどうなりたいのかということに焦点があたっていないパターンです。
・子どもに〇〇になってほしい。
・部下に〇〇になってほしい。
・夫に〇〇になってほしい。
このように、他者のための目標を追求しすぎると、クライエントの心を置き去りにしてしまうことが多いです。
「他者のために」となりすぎると、クライエントは心身ともに疲弊してしまうかもしれません。
クライエント自身があくまでも主体であることを踏まえ、以下のような質問をします。
「〇〇さんにとってどういういい事があるのですか?」
「〇〇さんは、本当はどうなりたいのですか?」
コーチングの目標設定では、このようにクライエントの心を常に中心に置き、進めていくことが求められます。
そうすることで、クライエント自身が本当はどうなりたいのかを導き出すことができます。
原因2 制約がある中で目標設定している
コーチングの目標設定はクライエントの現状をしっかりと把握した上で進みますが、それにとらわれすぎると本当に望んでいる目標が出にくくなります。
例えば、僕がフィリピンで英語教師を輩出する職業訓練校を運営していた時、卒業生がこんなことを言いました。
「自分にはお金がないから、大学に行かずに働くよ。」
しかし、現状だけを見て、「じゃあ大学は諦めて、働くか」といった提案をすると、彼女の本当に行きたい道を邪魔してしまうことになりかねません。
そんな時に、現状の制約を外した質問をしてあげることで、本当に望んでいる答えが返ってくる可能性は上がります。
研修生たちとの写真
僕は彼女にこんな質問をしました。
「お金があるなら、本当はどうしたいの?」
そうすると彼女はこんな答えを返してくれました。
「やっぱり大学に行きたいな。本当は仕事よりも勉強がしたい。奨学金もあるから探して見たい。」
このように制約を外してあげることで、本来望んでいる目標設定ができるようになりました。
現状にとらわれずに目標設定を促すことで、より自分らしい目標を立てられるようになります。
あなたが制約を設けている限り、クライエントの本当の意味での目標達成はできないでしょう。
原因3 問題解決に焦点があたり過ぎている
コーチングの目標設定で失敗する大きな原因として、問題解決に注力しすぎるということがあります。
「現状の問題」ばかりに注目しすぎると、ネガテイブな気持ちになって目標達成する気力がなくなってきます。
例えば、夫婦間での問題がある人がいて、問題解決に注力すると、こんな風になります。
・夫が口を聞いてくれない。どうすればいいか
・夫が子どもの面倒を見てくれない。どうすればいいか
問題を解決するという思考だと、なんとなく心が暗くなってきますよね。
したがって、コーチは問題解決ではなく、理想状態を引き出す質問します。
「夫とはどんな関係が築きたいですか?」
「その関係が築けたらどんなことを一緒にしたいですか?」
このようにポジティブに理想の状態に注目していくことで、やる気を引き出していきます。
コーチングの目標設定においては、クライエントの問題に焦点を当てすぎないように気をつけましょう。
ここまでをまとめておくと、コーチングがうまく行かない3つの原因と対処法は以下の通りになります。
①クライエントのための目標達成ではなくなっている
→主体をクライエントに戻す質問をする。
②制約がある中で目標設定している
→クライエントの可能性を信じ、制約を外す質問をする。
③問題解決に焦点があたり過ぎている
→理想状態に焦点をあてる質問をする。
コーチングは目標設定だけじゃない!
ここまで話してきたのは、コーチングの目標設定の部分だけです。
完結させるためには、
・リソースの棚卸し
・行動の決定
・フォローアップ
という3つプロセスをさらに踏む必要があります。
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